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2006年4月16日

こんぴら歌舞伎2部 (4月11日)

P1010143 2時40分頃に金丸座に到着。小屋の前の広場には人がいっぱい。入り口はどこかとキョロキョロ。小屋の入り口から人の列をたどっていくとわたしが立っている場所からかなり後ろまでつながっていた。最後尾を見つけて並ぶ。

ようやく中に入るとお茶子さん達が席に案内してくれる。みんな笑顔のかわいいお嬢さん達。この日は、後方の花道寄りの席。やや奥の席までどうやって行くのかと思いきや、幅15cmくらいの仕切板の上を歩いていく。この仕切板は2升ごとにあるようだ。すでに多くの人が着席しているので、落っこちると人の膝の上を踏んでしまいそうで、おっかなびっくり渡る。

わたしの席はすでに2人の方が先着していた。後ろの方が仕切の板に寄りかかれるので後ろに座りたかったのでこれ幸いと着席。上を見上げると竹格子になっていて天井裏が透けて見える。これが葡萄棚っていうヤツかな。前方には役者さんの紋入りの提灯。いかにも芝居小屋という雰囲気。

新七さんが舞台番で、これから始まるお芝居の内容の説明とおきまりの撮影禁止と携帯電話の電源を切るようにという呼びかけ。アナウンスよりも舞台番の方が風情があってよいもの。他の劇場でもやって欲しいと思うけれど難しいかな。

とそうこうするうちに柝が鳴り幕が開いた。

『浮世柄比翼稲妻』

おんぼろ長屋の一室に白塗りの二枚目の名古屋山三とかわいらしい禿が座っている。このミスマッチがこの先どんな話になるのか興味を引く。下手側には店賃を催促する大家さんをはじめとする掛取り達。この掛取り達と鷹揚ですっとぼけた山三のやりとりが笑える。雨漏りする部屋で番傘さしたり、雨漏りを直すようにと言われた大家が緊急の雨漏り対策として盥をつるしたり。そんなオンボロ長屋に花魁道中がやってくるという、実際ありえない話なのだが違和感なく面白く続く。山三の下女のおくにと傾城葛城が亀治郎の二役の早変わり。花魁道中で葛城に肩を貸していたのは升一くん。最近頓に男前になってきたような気がする。(^^)

「あの葛城は一夜妻、家に残すは宿の妻」は、おくににとっては嬉しい言葉だったろうとは思うけれど、家の中が真っ暗だとはいえ、毒が回り死にそうなおくにの異変に気づかずに能転気な山三。言葉とは裏腹におくにに対する情の薄さを感じてしまった。山三へ一途な思いを抱くおくにが余計に哀れに感じた。山三がでかけるのを見送りおくにが息たえて幕が閉まる。

ここでちょっとの間休憩。正座が苦手なので狭いスペースの中でどうにか足の置き場を確保していたのだけれど、立ち上がると身体がガチガチ。

「仲之町」の場

本花道から不破伴左衛門、仮花道から名古屋山三。1月の信長以来、歌舞伎は去年の7月末以来見る海老蔵。自然と目と耳は本花道へ。花道での渡り台詞の間、深編笠をかぶったままで顔が見えない。低音が響く良い声。早く笠をとらないかなと待ち遠しいことしきり。で、笠を取ったら期待したほどではなく、ちょっとがっかり(笑)。少し老け顔にしているのかな?でも、舞台からの台詞は、音は空気振動だと改めて実感するほど、ビシバシとこちらに伝わってくるのが快感だった。

本日のイチオシ:秀調の浮世又平 いつもは実直な役柄が多いように思うのだが、こういう悪役が似合うとは意外だった。

『色彩間苅豆』

本花道から頭巾をかぶった亀治郎のかさね、仮花道から筵で顔を隠した海老蔵の与右衛門が登場。雨があがったのか筵を取り、髪をなでつけ袖を絞る与右衛門。もしかして与右衛門ってナルシスト?と思ってしまうほどに優美なしぐさ。かさねにすがられ再び心中を決意するようだけれど、この与右衛門くんは、二人一緒に川に飛び込んでも一人で這い上がって来そう。変わり果てたかさねの顔を見て怖がるというよりは醜いものは見たくないという感じ。無理矢理かさねに鏡を見せる与右衛門が余計に残酷なヤツに思えてくる。かさねを殺した後一旦揚幕に入り、連理引きで引き戻される。引き戻されて、また、何もなかったかのように襟を直して花道の方に行くとまた引き戻されるのだが、このしれっとした様子がちょっと笑える。連理引きは何回くらいやるのか分からないが、あまり多いと怖さが半減するように思う。この日は、少し多いような気もしないでもなかった。

『色彩間苅豆』の前の休憩時間に、仮花道に近い出入り口付近の廊下で段四郎さんを発見。團十郎さんも初日近くに見に来ていたそうだけれど、どこのお家もやっぱり息子さんのことが心配なのでしょうね。

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コメント

TBありがとうございます。
>これが葡萄棚っていうヤツかな。
この葡萄棚から降ってくる桜が♪よかったですよね~。
ふむふむ、升一くんですね?今度チェックしちゃいます♪
「浮世柄比翼稲妻」は、本当に南北らしい何でもあり!な不思議世界がいいですね。
がぜん南北贔屓になってしまいました。

>このしれっとした様子がちょっと笑える。
海老さんらしいかわいさというのか可笑し味が、たまりません!
私もあそこはツボでした。
しばらくの間、襟を直す海老さんが瞼にいました(笑)。

投稿: 恵美 | 2006年4月16日 18:21

私も8日行ってきました。
凄く若くて生きのいい『かさね』でしたね。
海老ちゃんのイナバウアーに全開開脚(笑)
可愛くて色っぽかった!!

出てきた時、優しい坊ちゃん風の白塗りだったので意表つかれましたが、如何にも色悪的じゃ女の子は引っかかりませんよね(笑)
海老ちゃんの計算に『大人になったな』と思った次第です。

これだけ劇的な『かさね』ヨーロッパのお客様大喜びでしょうね。

投稿: 瑠璃揚羽 | 2006年4月16日 21:21

#恵美さん
葡萄棚からの桜、素敵でした。休憩時間にも上に残っていたのを散らしてくれるおまけつき。
あれだけの花びらを公演日分用意するのも大変な労力ですね。
升一くんは、鼻筋がすっと通っていて横顔も良いですよん。(^^)

#瑠璃揚羽さん
与右衛門は、登場したときは見た目が優しそうなのにとんでもないヤツですよね(笑)
ヨーロッパのお客様にも喜んで頂けると良いですね。

投稿: kirigirisu | 2006年4月16日 23:22

kirigirisuさま

はじめまして。スキップと申します。
『酔うて候』の恵美さんのところからとんで来ました。
「こんぴら歌舞伎」初見参だったのですが、金丸座の雰囲気もよく、演目も力作揃いでしたね。
私もあの連理引き(というのですね)はちょっと多いかな、と思いましたが、kirigirisuさんの
おっしゃるとおり、何もなかったかのようにまた襟を直して帰ろうとする与右衛門のしれっとした
感じとかさねの怨念の妖しさの対比もおもしろかったですね。
トラックバックさせていただきました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: スキップ | 2006年4月19日 23:00

スキップさん、コメントとTBありがとうございました。
金丸座自体が舞台装置のようで、とても不思議な空間でした。音や光が普通の劇場よりも優しく感じられて、あれで足が思う存分伸ばせたら言うことないのですが...(^^;

かさねの最後の連理引きは、あまり多いと怖さよりも笑っちゃいそうになります。(^^)

投稿: kirigirisu | 2006年4月20日 11:53

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