« 海老蔵@オペラ座 | トップページ | 7月の松竹座 »

2006年4月22日

東海道四谷怪談南番

見終わって気分スッキリ。やっぱり、わたしはこっちのバージョンが好き。役者さんも発散しているようだけれど、観客も発散できる。最後の大詰めは、取って付けたとようだと言われれば、たしかにそうだとは思うが、わたしはこういう形での遊びの部分が好きだ。

伊藤家での会話のやり取りがちょっとおちゃらけたような北番と比べて、自分達の欲望を満たすためには自分達に都合のよい解釈で人を人とも思わないようなことをする話を淡々と普通に語る南番の方が、余計に残酷さが感じられた。宅悦がちょっと不気味な雰囲気を醸しつつ始終抑えた感じなので、お岩さんの様変わりに対するリアクションに滑稽さが感じられないのが良かった。伊右衛門が伊藤家から戻ってきて、お岩さんをなぶる場面で伊右衛門の傍若無人ぶりと残忍ぶりがパワーアップして、思わずぞっとした。これまでの橋之助の伊右衛門にはそういう雰囲気があまり感じられなかったのだが、今日は、こんなひでぇ~ヤツと一緒に暮らしているお岩さんの悲惨な境遇が実感できた。

北番で気に入らなかった隠亡堀のだんまりの場面もツケの音が段々と打ちあがってきて三人の見得で決まるところも、ツケの音とともにこちらの気持ち一緒に高揚してくる感じで気持ちが良い。ツケを下手側で打っているときの音が上手で打っているときと音と違うように聞こえた。上手側の方が柔らかい音に聞こえたのは聞き慣れているせいなんだろうか。

南番が楽しかったもう一つの理由は、北番よりも観客参加型だったからかもしれない。蛇山庵室の場面で秋山長兵衛や伊右衛門が客席に降りてくるのだが、座席の間近に迫って来られると結構マジでコワイ(笑) 役者さん達が引っ込んだり舞台に戻っても、まだ、客席のどっかからなにかが出てくるんじゃないかとちょっとソワソワ(^^;。南番を見ていて心地良かったのは、観客側のイマジネーションに委ねる部分が多かったからなんじゃないかと思う。

今日のイチオシ: 亀蔵の宅悦

|

« 海老蔵@オペラ座 | トップページ | 7月の松竹座 »

「歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

NHKでちらっとみました。
北番の斬新さにおどろきました、あんなことになってたんですねぇ~。。録音の洋楽ですか・・・わたしはダメかも・・・(-_-;
ほんと伊右衛門ってひでぇ~ヤツですよね!私も大嫌いですよっ!お岩さん、どんどん祟ってやっておくんなまし、ってカンジです(笑)

投稿: 夕凪 | 2006年4月22日 21:50

楽器や音楽はどこの国のものでも構わないのですが、ど~~しても、歌舞伎に録音した音楽だけはやめて欲しいと思います。(^^;; 北番はジャズのセッションなんか合いそうな気がします。
伊右衛門さんはひでぇ~ヤツですけど、伊藤家の面々の方がもっと悪いヤツかもしれませんね。

投稿: kirigirisu | 2006年4月23日 13:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21013/9703518

この記事へのトラックバック一覧です: 東海道四谷怪談南番:

« 海老蔵@オペラ座 | トップページ | 7月の松竹座 »