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2006年5月 3日

5月歌舞伎座團菊祭(昼の部)

昨日と打って変わって五月晴れの気持ちの良い朝。普段は、日本にいながらにして、日本時間と2~3時間時差のある(^^;;生活をしているが、今日は、わたしにしては早起きして、いざ銀座へと向かう。幕見のチケット売り場の前の自動販売機でお茶を買おうと思ったら、自販機のそばまで幕見の列がきていた。今日も和服の方が多いようだ。いつもよりも男性の姿も目につく。

『江戸の夕映え』

序盤は、やはり初日が開けて間もないせいか、まだちょっと冗長なところがあるけれど、後半、そばやで大吉が小六と偶然出逢い、小六にお登勢と合うように説得する松緑と海老蔵のやりとり、お猪口を差し出す大吉と受け取ろうかどうか迷っている小六。二人の間の緊迫感が良い。そして、最後にお登勢と対面する場面にちょっとウルウルしてしまった。このウルウルは、その前の場面でじ~んときてしまったからかな。「冬が来たら寒かろう、夏が来たら暑かろう」といつも思いやってやれ、ずっと待っていてやれというようなことを父親がお登勢にとつとつと語りかける。ここの團蔵さんが渋くていい。お登勢さんは、お父さんに似て不器用な生き方しかできない小六さんのことを理解できるし好きなのねと納得できる。

この作品は、大佛次郎が初演のときの役者さんにあて書きしているそうだが、大吉の台詞を聞いていると二代目松緑さんの姿が彷彿として甦ってくる。こういう明るくて太っ腹で人情に厚いお役をやったら右に出る人はいなかった。現松緑さんも、こういう役は悪くはないけれど、もうちょっと江戸弁が自然に出てくるようにがんばれ!! 海老蔵はよくお祖父さんの十一代目によく似ていると言われるが、芸質はちょっと違うんじゃないかな?という気がする。

右近(尾上)くんが、随分と大人っぽくなったようだ。このくらいの年齢の子はどんどん変わるので面白い。良い女形さんになりそうな予感。(^^)

『雷船頭』

松緑と右近の踊り。明るくって楽しい踊りだった。踊りのときは退屈してしまうことも多いけれど、これは楽しめた。

『外郎売』

大薩摩の後に浅葱幕が落ちて、豪華絢爛の舞台。揚幕の中から團十郎さんの声がすると客席がちょっとざわめく。前よりもハリのある声に聞こえた。花道に登場すると割れんばかりの拍手。それまでは冷静だったわたしも七三に團十郎さんの姿が見えるとちょっとうるうる。舞台中央に入り劇中での口上。「まってました!!」の大向こうの声も嬉しい。「成田屋!!」

『権三と助十』

こちらも、やはり初日が開けて間もないせいか、ちょっと台詞のやりとりがギクシャク。左團次さんの台詞が完全に入ればもっとテンポアップして、面白くなるんじゃないでしょうか。さすがに菊五郎さんvs三津五郎さんの江戸っ子らしいやりとりは楽しい。権十郎さんも二人に食いついていたけど、もうちょっと江戸弁頑張れ!! 時蔵さんのおかみさんぶりも楽しい。夫婦喧嘩の場面で、思いっきり転がってたけれど毎日あんなに転がっちゃってるんでしょうか?團蔵さんの悪ぶりも最高。

夜と昼、どちらも甲乙つけがたいけれど、昼の部の方が明るく楽しいかな?夜の部の「黒手組の助六」は、意表をつかれたこともあるが、あのなんだかワケの分からないおかしさは、結構好きだ。(^^)

と気分もよく劇場を後にし、お天気も良いので東京駅までお散歩。結局、このGW中はお仕事がお休みになったので、八重洲ブックセンターで「夜叉ヶ池・天守物語」「海神別荘(山吹他)」(岩波文庫)、遅まきながら「ダ・ヴィンチ・コード」など仕入れてきた。「ダ・ヴィンチ・コード」の帯に映画の宣伝。写真を見て、一瞬、主演はジーン・ハックマン?かと思ってしまった...(^^;;

今日一番気になったこと:松平掃部の脱いだ草履

座席:3階2列中央寄り

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コメント

[昼の部][夜の部]両方観劇して参りました。どちらがいいかと聞かれると・・?
甲乙付けがたいですが・・[昼の部]の方が仰るとおり明るいですね。

海老蔵さんは、こんぴらからの「いい緊張感」みたいなのが持続されていて、
「背中で語る」っていう今までに見たことのない雰囲気を醸し出していたように思います。
小六がお酒をチビチビと呑んでいるシーンは絵になるなぁと。

團十郎さんの『外郎売』も言葉にならないくらい、
「お帰りなさい!」というファンの気持ちが團十郎さんに伝わって、神々しかったです。

でも・・私のことなので(笑)三津五郎さんのお役的には[夜の部]の又平が良かったかなと。
[昼の部]の助十を演じてから約30分足らずで、又平に変身してしまうとは・・。
恐れ入ります。

こんなオチですいません。

投稿: 若菜 | 2006年5月 7日 11:20

若菜さん、こんにちは。
あはははは。そりゃぁもう、誰でもご贔屓の役者さんが一番ですもの。(笑)でも贔屓目なしにしても、海老蔵襲名の折に代役の弁慶を演じてから30分足らずで魚屋宗五郎をやった三津五郎さんの底力は感服ものでした。(^^)
こんぴら歌舞伎で、どっぷり海老蔵ワールドに浸っちゃったわたしとしては、正直言うと5月の海老蔵さんはちょっともの足りないかもしれません。(^^;
でも、歌舞伎座も演舞場もお芝居の面白さをたっぷりと堪能してます。

投稿: kirigirisu | 2006年5月 7日 13:19

お久しぶりです。金魚堂です。
「江戸の夕映え」は、それぞれのお父様たちが演じたのを見ましたよ~
そうれぞれが役にピタッとはまって、あくまでも私個人の意見ですが、辰之助のやった役の中では上位に部類に入ると思います。
んも~カッコイイったらなかった(ToT)
萬次郎サンも出演されてて、とても印象に残ってますが、何の役だったんでしょう?忘れました(>_<)
団十郎さんも菊五郎さんも、当時を思い出しているでしょうねぇ…。

投稿: 金魚堂 | 2006年5月11日 11:00

金魚堂さん、こんにちは。
「江戸の夕映え」ご覧になったんですね。いいなぁ。わたしは、見損なってます。辰之助さんの歯切れの良い江戸弁で小六を説得することろなんて素敵だったでしょうね。菊五郎さんとのコンビもよかったから、階段のところでいちゃつくところはさぞかし...。

投稿: kirigirisu | 2006年5月11日 11:58

これはNHKでも放映したので特に印象に残ってますねぇ。
階段でおりきと××してるとき(*^^*)の衣装は、白い絣のような着物でしたか?
また、この衣装が似合っててねぇ…。

投稿: 金魚堂 | 2006年5月11日 17:41

3Fから見ていたので細かい柄までは確認していませんが、白の絣のようでした。現松緑さんは、お祖父さま似ですね。

投稿: kirigirisu | 2006年5月12日 02:29

ふ~ん、なるほど。お祖父さん似ですか。
何度もありがとうございます。

私もいつも3階席から見てました(#^^#)
「子六さん」と言うところが先代だと「小六さ~」に聞こえるのです。
そんなところが、何とも粋でしたね(T-T)

投稿: 金魚堂 | 2006年5月12日 11:20

辰之助さんは、声が良かったし歯切れもよかったし...。
現松緑さんは、声や姿というよりも、舞台に出るとぱっと明るくなる雰囲気がお祖父さま譲りだなって思います。わたしはいつも目をハートにして辰之助さんばかりを見ていたので(笑)、舞台全体まではあまり気にとめていなかったのですが、恐らくは、ぱっと明るくなるタイプではなかったように記憶しています。

投稿: kirigirisu | 2006年5月12日 18:12

ようやく團菊祭を通しで観ましたので、昼の部の感想をTBさせてもらいました。

ブログには書きませんでしたが、私は朧気な記憶ながらお祖父さんたちの『江戸の夕映』を観たようです。今の松緑さんは、お父さんの辰之助さんより、お祖父さんに似てきつつありますね。

それにしても辰之助さんは、口跡といい、容姿といい早世されたのは返す返すも残念な役者さんでした。

投稿: 六条亭 | 2006年5月23日 22:08

わたしが歌舞伎を見るようになったきっかけが、辰之助さんだったので亡くなられたときは、言葉には表せないほどの衝撃でした。それから歌舞伎を封印してしまいましたけれど、また、ここ3年ばかり見始めました。また、日々に新たな楽しさを発見しています。

投稿: kirigirisu | 2006年5月23日 22:53

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» 團菊祭五月大歌舞伎昼の部の感想 [六条亭の東屋]
さて、今度は21日に通し観劇した團菊祭の感想を、まず昼の部から。 海老蔵と勘三郎の襲名披露興行の関係であろう、恒例の團菊祭の開催も三年振りである。しかも、文字通り柱となる團十郎が病癒えて、歌舞伎十八番の『外郎売』で舞台復帰するのが、何よりも今月一番の話題である。市川宗家と言えば、歌舞伎界を代表する家。その当主團十郎が舞台から遠ざかっていたのは、火が消えたように寂しいものであったから、この復活の舞台は、歌舞伎ファン必見のものであった。 『江戸の夕映』 野田秀樹や蜷川幸雄の歌舞伎進出... [続きを読む]

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