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2006年5月21日

大坂男伊達流行

すべり込みセーフで、今日の午後の部行ってきました。後ろの方がちょっと空いていましたが、85~90%の入りでしょうか。結構男性の姿も目につきました。

***5/23追記

「平成若衆歌舞伎第5弾」ということで、今回5回目の公演。初めての東京公演。わたしは初めて拝見する。

若い役者さんの頑張りぶり成長ぶりを見るのも歌舞伎を見る楽しみの一つ。愛之助さんを中心に上方歌舞伎塾の卒塾生の方々が出演されるとのことで、興行というよりも卒塾生のお勉強会に近い形の公演なんだろうなと推測はしていた。実際に見て一番に感じたのは、愛之助さんと卒塾生達の芝居の世界観が全く違うこと。塾生の方々は長くても7年。愛之助さんは子役時代から数えれば25年以上のキャリア。力の差があるのは当然なのだけれど、巧拙ということよりも、作り出す世界があまりにも違うために、同じ芝居で同じ空間にいながら、全然違うお芝居を見せられているような感覚にちょっととまどってしまった。この違和感のようなものは最後まで消えなかった。

卒塾生達に舞台経験をつませることを優先するのであれば、愛之助さんは、佑次郎さんがやった与力の役のように脇に回わって舞台を締めた方がお芝居のバランスが良かったんじゃないかなとも思う。その反面、愛之助さんに主役(芯)の経験を積ませるという目的もあるとすれば、その目的が薄くなってしまう。両方の目的を満足させるお芝居を作るのは、かなり至難のワザのように思えた。古典をやるか、いっそ歌舞伎の枠を大きく外してしまうか...。いつもいつも試みが成功するとは限らないけれど、試行錯誤で続けていくことが大切なんだろうとは思う。

もっと上方の香りがするお芝居なのかと思っていたら結構あっさり目なのは意外だった。以前勤めていた職場の上司が、船場出身で、それも天神組のように出来の悪いボンボンがそのままおっさんになったというお人。そのイメージがあったせいか、コテコテさがちょっと足りないような気がした。今どきの若者は、東京でも上方でもあっさり系が多いのかもしれないが...。

***

WSSを下敷きにしているということですが、第一幕の第2場の喧嘩の場面、ありゃ?もしかして、WSSの体育館のダンスパーティのシーンを意識してる?映画のあのシーンが割合と好きなのでちょっと苦笑。絵草紙屋の「角屋(すみや)」に貼ってあった錦絵。どこかで見たことがあると思ったら、去年の歌舞伎座のカレンダーやん...。(^^; これ、今日のツボかも。(笑)

これまで、上方系の名題下さんのことをあまり知らなかったのですが、これからちょっと注目していきたいなと思った方が何人か発見。一番は、千壽郎さん。巧拙ということよりも独特の雰囲気のある役者さん。終盤の愛之助さんとの立ち廻りも大熱演。大詰めで1月の松竹座で見損なった愛之助さんの「戸板倒し」が見られたのはラッキーでしたけれど、愛之助さんと千壽郎さんとお堂の前の男と女の立ち廻りの方が印象が強く残っているかも。後は、千志郎さんと松次郎さん。千志郎さんは声、松次郎さんは姿が良いので、ちょっと得しているかな。

歌舞伎は、今でしか見ることができない現在の役者さんを見る楽しみもあるし、見ているうちに、この人であの役を見て見たいなと将来の楽しみもある。最後の場面を見ているうちに、愛之助さんの勘平が無性に見たくなってしまった。水浅葱の着物は間違いなくお似合いでしょう。

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コメント

>去年の歌舞伎座のカレンダー
細かくチェック!入ってますね~(笑)恐れ入りました。
>愛之助さんと千壽郎さんとお堂の前の男と女の立ち廻り
私もあそこが好きです!
千壽郎さんの女殺陣、そうそういませんよ、あれだけ出来る人は。
>千志郎さんは声、松次郎さんは姿が良い
今回松次郎さんは地味でしたが、みてますね~(笑)。いい男ですよ~。
私は鴈祥さんにも注目したいと思いました♪

投稿: 恵美 | 2006年5月21日 23:07

kirigirisuさん、こんにちは。

若衆行かれたんですね~~。
それにしても目の付け所がすごい・・・・歌舞伎座のカレンダーって(笑)。
恵美さん同様、松次郎さんは男前ですよ~~(笑)。
千壽郎さんは本当に独特の雰囲気をもってらっしゃる。
その分役柄が狭められてしまわないようにしていただきたいですね。

投稿: rika | 2006年5月22日 11:10

恵美さん、こんにちは。
ここ数年歌舞伎座のカレンダーを自分の部屋の割合と目につく場所に飾ってあるので、「あららら...」でした。(笑)左下に貼られていた、水色っぽい妖怪(だったかな)の絵は、なかなか可愛らしくてお気に入りだったので余計に目にとまったのかも。

投稿: kirigirisu | 2006年5月22日 16:53

rikaさん、行ってきました。お芝居の肝心なことを書かずに余計なことばかりですみません。(^^; 後で書き足しますね。実は、最初、千壽郎さんは、りき弥さんがなさっていた「おはつ」の方が良いんじゃないのかなと思って見ていたのですが、後半の立ち廻りで見せ場を作りたかった意図があったようです。

投稿: kirigirisu | 2006年5月22日 17:05

そうなんです!最後の場面で、私も愛之助さんの勘平がみたくなりました。お似合いですねぇ。大坂でも南座でもいきますよ。
1幕2場のあのシーンは・・・・苦笑を超えました。「やめてくれ~」と叫びそうでした。滝沢演舞城のタッキーの女形よりつらかった・・・・。
でも、これもみないといえませんもんね。やっぱり観続けることが大切なのかも。

投稿: まこ | 2006年5月22日 21:43

まこさん、こんにちは。
最後の場面では、勘平を連想させる熱演。思わずおかやはどこ?と思ってしまいました。愛之助さんの勘平みたいですねぇ。わたしも大阪でも京都でも行っちゃいます。(^^)/ ウエストサイド物語から、お芝居のヒントを得るのは良いと思うのですが映画を連想させる動きを入れるのはちょっとね。(^^;

座組や演目で大体の見当はつくものの、お芝居は、実際に見てみないと分からないですものね。特に若い役者さんは、1~2年でものすごく成長することもありますので、思わぬ拾いものをすることもありますし...。

投稿: kirigirisu | 2006年5月23日 12:36

kirigirisuさん、こんばんは!
21日午後の部ということは、千秋楽ご覧になったんですね♪

>愛之助さんと卒塾生達の芝居の世界観が全く違うこと

私もこれはすごく感じました。なんていうか…愛之助さんのテンションと他の皆さんのテンションがどこか違う方向向いているように思うことが何度かありましたよね。私が一番それを感じたのが平左とおはつの恋愛シーンです。りき弥さんががんばっていらっしゃるのはすごく分かるんですが、愛之助さんのテンションのほうが明らかに上でした(^-^;;。
今回の東京公演はけっこう急に決まったような感じでしたので、準備などあまり時間がなかったのかもしれません。次回はまたもう少し違った面を見せてくれたらいいなと思います。

でも、やっぱり愛之助さんは素敵でした(笑)。
今回の舞台を観てつくづくファンによかったなぁと実感してしまいました(^-^ゞ。

投稿: えりこ | 2006年5月23日 22:55

kirigirisuさん、初めまして…(実は秘かにROMっておりました)。

拙ブログへのコメント、とてもうれしかったです。私は今年に入って歌舞伎を観だした初心者ながら、やはり「全体的なバランスの悪さ」はとても気になっていましたので、kirigirisuさんのエントリを読んで、私が感じていたことはこういうことだったのか、となんだか胸にストンと落ちました。

愛之助さんのことが大好きにも関わらずこの「バランス」にとらわれてあまり愛之助さんを観るという目的としては楽しめなかったのですが、若手の皆さんたちが「カオナシ」から「顔と声のある役者さん」になってきましたので、これからの舞台にまた新しい楽しみが増えたと思っています。

エントリ違いですが歌六さんの義平次、8列目でみちゃいました。すご〜い嫌らしさの直撃を受けて、嫌いになってしまいそうでした(笑)。

またお邪魔させてくださいませ。よろしくお願いいたします。

投稿: ruko | 2006年5月23日 23:44

えりこさん、こんにちは。
なんて表現したら良いのかが分からないのですが、愛之助さんのお芝居とその他の方のお芝居が噛み合っていない感じがしました。同じ空間にいるのに、同じ脚本なのに。とても不思議な感覚でした。おはつと平左の悲恋がお芝居のテーマの一つなのに、それが伝わってこないのはホント残念でした。今回も試行錯誤の一環だと思うので、次回以降にそれがどう活かされるのかを見続けたいとは思っています。

投稿: kirigirisu | 2006年5月23日 23:50

rukoさん、こんにちは。
歌舞伎も他の演劇と同じように全体のアンサンブルが大切なんじゃないのかなと思うんですよ。(^^) 愛之助さんも卒塾生の方々も頑張っていたのにちょっと空回りしていたのが残念でした。

>すご〜い嫌らしさの直撃を受けて、嫌いになってしまいそうでした
あはははは。嫌われるくらいの嫌らしさを感じられたら、歌六さん、役者冥利かもしれませんね。
歌六さんは吉右衛門さんよりもお若いんですよね。

こちらこそ、よろしくお願いします。また、おじゃまさせていただきます。

投稿: kirigirisu | 2006年5月24日 00:10

kirigirisu さん、こんにちは。

追記を拝見して、本当にそうだなぁと思いました。。
愛之助さんと卒塾生の方々では、キャリヤも今置かれている立場もまったく違っているのに、
同じ舞台に立って、同じ芝居を作り上げていこうというのはやっぱり難しいのでしょうか。
いっそのこと愛之助さんが思いっきり悪役に徹して(カッコいいのがいいですけど・・・笑)、
それに対する「善」の方を卒塾生の方がすれば世界が違っても成り立つかも・・・。
第一弾の「八犬伝」がそんな感じだったんでしたっけネ・・・。

投稿: rika | 2006年5月24日 13:17

>いっそのこと愛之助さんが思いっきり悪役に徹して
そうそう。そういう感じが良いかもしれません。(^^) 悪役はカッコ良くなくっちゃ凄みがでませんもの。これからも色々と試行錯誤されていかれると思いますが、若い方々の頑張りをながぁ~い目で応援していきたいなって思ってます。

投稿: kirigirisu | 2006年5月24日 17:27

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