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2006年6月18日

六月歌舞伎座昼の部

先週の月曜日の12日に見てきました。すでに1週間も過ぎてしまっているので、もはや忘却の彼方。いつものことながら覚えていることだけ。

この日は、ちょっと睡眠不足気味。そいうときは朝一はパスするところなんですが、「君が代松竹梅」に愛之助さんが出ているので頑張って開演時間前に席に到着。なにせ、上演時間が10分強なので遅刻したらアウト。空いているという噂でしたけれど、3Fは結構席がうまってました。席は3F一列目の中央寄り。

『君が代松竹梅』

はんなりと優雅な踊りでした。柔の松の君、剛の梅の君という感じでしょうか。いずれも素敵な公達姿。

『双蝶々曲輪日記』(角力場)

染五郎さんが与五郎と放駒の二役。1週間経って思い出す姿は放駒ばかり。見る前はお相撲さんのお役はどうなんだろう?と思っていたが、なかなかどうしてイケメン力士。勝って贔屓から褒めそやされたり、贈られた祝いの品に素直に喜ぶ素人力士の初々しさや嬉しさがストレートに伝わってくる。濡髪は姿は立派だけれど、やはり幸四郎さんは苦手だ。

『藤戸』

実は、この演目はあまり期待していなかったのだが、思いがけずに面白く見た。吉右衛門さんの老女はちらしよりも優しい顔だったし、背の高さはあるもののしぐさも上品。この感じ誰かに似ているなぁ~誰だろう?とずっと気になっていたのだが...そうだ、吉之丞さんだ。佐々木盛綱の家来4人の中に種太郎くん発見。他の3人の大人に負けない存在感。座った姿が一番綺麗だったのはさすが。後半に移る間の浜の男(歌昇)と浜の女(福助)の軽やかな踊りも楽しめた。

後半、スッポンから登場した瀬戸の悪龍に下の席からどよめきが。オペラグラスで見たらすごい隈取り。吉右衛門さんはたっぱもあるし頭には大きな龍。近くでみたらかなり迫力ありそう。

これで、もっと囃子方の後押しがあったら後半の盛綱側と悪龍との戦いぶりや一心不乱に経文を唱える盛綱側と悪龍との緊迫した状況がより一層鮮明になるのではないかと思う。笛が孤軍奮闘していたけれど、小鼓が3人(4人だったかな?)いたのにその効果があまりなかったのが残念。「きこえませぬ。でんべぇさん...」

『荒川の佐吉』

今月一番のお目当て。序幕、若い三下奴時代の佐吉。若さを出すためかちょっと声が高め?仁左衛門さんの「まっつぐ...」という下町言葉に、なぜかこそばゆい感じ。段四郎さんがかっこいぃ~。佐吉と普通に会話を交わし、いかにも悪そうな感じがしないだけに余計に不気味さを感じさせる。仁平衛を切った後に戻ってきて刀を鞘に収める前に血を水ですすぐのだが、そのときに本物の水を使ったのでびっくり。舞台のど真ん中に水まいちゃっていいんだろうか?と余計な心配をしてしまった。(^^; 

序幕第二場(仁平衛の家)、幕が上がると上手側に隅田の清五郎が座っている。声はかなり低め。うぉお~渋い。苦み走った良い男だわん。でも、あっという間に成川に切られてしまって幕。この場はカットされることも多いそうだ。確かに、なくても良いと言えば良いような気もしないでもないが、お八重と清五郎の関係がハッキリ分かる。

行きがかり上、盲目の卯之吉を育てることになってしまった佐吉。寝付くまで子守歌を歌ったり添い寝したり。(卯之吉がうらやましいぞぉ~)その佐吉の力になり一緒に育てた辰五郎。なんとなく映画の「スリーメン&ベイビー」を彷彿させる。

相模屋政五郎の菊五郎さんの江戸の香りがする台詞は気持ちが良い。スカッとする。「可愛がったから手放せないというのは、犬や猫と一緒だ。人間の一生のことだ。卯之吉の一生を考えるように」という意の、酸いも甘いもかみ分けた政五郎の言葉が胸を打つ。

最後の旅立ちの場面の佐吉が一番好きだ。最後の決まりの場面で大向こうから「松嶋屋!!」がたくさんかかったが、たぶんベテランの方だと思うのだが、「やま...」途中まで言いかけて、あわてて言葉を飲んだのはご愛嬌でした。

大判のハンカチを持参したけれど、実はあまり泣けなかった。もしかしたら、期待し過ぎてしまったのかもしれない。

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コメント

kirigirisuさん、こんばんは。

愛之助さんは「渋く」て「苦み走った良い男」でしたか?(喜)
わ~~、低~~い声で“兄貴”風な愛之助さんの清五郎・・・・たとえ出番は少なくても観に行きたい!!

しか~~し・・・私には7月8月10月と大阪に何度も何度も行かなければならない理由がある(笑)。
歌舞伎チャンネル・・・・放送お願いします。
kirigirisuさん・・・・レポお願いします(笑)。

投稿: rika | 2006年6月18日 21:15

kirigirisuさん、こんばんは!

私は昨日の昼の部を見てきましたが、感想はほとんど
kirigirisuさんと同じです♪
特に幸四郎さんが苦手という点は一致してたりします(苦笑)。

私にとってのメインは序幕の『君が代松竹梅』だったんですが(笑)、
愛之助さんの梅の君が凛々しくて思わず見とれてしまいました。
ただ、幕引き直前にちょっと下半身がフルフルしてたのがきになったかな(^-^;;

『荒川の佐吉』ですが、仁左衛門さんのファンの方の熱気が
本当にすごかったのが印象的です(笑)。
涙のすすり方も尋常ではなく、後ろの方などはティッシュで
なんども鼻かんでました(苦笑)。
ストーリーは確かに「泣きの王道」って感じでしたが、
あまりにもベタすぎて感動できませんでした。長いですよね、しかも…。

ただ、今週もう一度行くので今度はしっかり観てきたいと思います。

投稿: えりこ | 2006年6月18日 21:19

rikaさん
渋かったっすよ。男気のあるおあにいさんでした。
時間は短いですが、あの場は清五郎さん「あんたが主役」でした。(^^)v

投稿: kirigirisu | 2006年6月19日 00:31

こんばんは。
私も、「佐吉」、それほどウルッてしなかったんですよ・・・。
むしろ周りの人たちのうめき声(泣き声)や 鼻をすする音に気をとられてしまいました(苦笑)
ただ観に行った日は 朝寝坊をしてしまったというアクシデントがあって動揺していて、
結局最後まで気持ちの切り替えが出来なかったからなのかもしれませんけど。
千穐楽はしっかり見てこようと思います。

私も本物の水を使っていたことにビックリしました。
幕が開くたびに「あ、まだ乾いてない・・・」「まだ跡が残ってる・・・」といちいち気にしてしまって(笑)

そうそう、話は変わりますが、先日の「日本駄右衛門」の件、どうも有難うございました♪
実はコメントを拝見した時は、妄想にお付き合いいただいたことだけを有難く思ってそのようにお返事していたのですが
確かに日本駄右衛門とフラメンコは合っていますね。
今日しみじみと思いました。

投稿: よんたん | 2006年6月19日 00:36

えりこさん
わたしも、もっと泣けるかと思ったのですが、泣かせる要素が多すぎるせいか、ちょっと醒めて見てしまったかもです。子供云々というよりも、相模屋政五郎の情けの方がウルっときました。

投稿: kirigirisu | 2006年6月19日 00:41

よんたんさん

ティッシュとハンカチをジャケットのポッケに入れてスタンバイしていたんですが、ほとんど使わずじまい...。

>幕が開くたびに「あ、まだ乾いてない・・・」「まだ跡が残ってる・・・」といちいち気にしてしまって(笑)
あはははは。同じです。

日本駄右衛門は、結構マジでコメントしました。(笑)
いわゆる稲瀬川の勢揃いの衣装も良いですが、だんまりの場の衣装も素敵。その前の灰色ずくめから金色の衣装に変わったときは、思わず「きゃぁ~」と言いそうになりました。(^^)

投稿: kirigirisu | 2006年6月19日 00:58

こんにちは。

私も昨日歌舞伎座へ足を運びまして、
稚拙ながら感想を簡単にまとめましたので
是非TBさせて下さい。

宜しくお願いいたします。

投稿: よんたん | 2006年6月27日 17:37

よんたんさん、コメントとTBありがとうございます。
わたくしめは、今月結局昼の部1回のみとなりました。
低気圧にめっぽう弱いわたくしめは前線の停滞で、諸々の活動も停滞気味です。早く梅雨が明けて欲しいものです。

投稿: kirigirisu | 2006年6月28日 16:16

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