« 7月大歌舞伎@松竹座 18日夜の部 | トップページ | 素朴な疑問 »

2007年7月21日

7月大歌舞伎@松竹座 19日昼の部

今回の大阪松竹座遠征で一番楽しみにしていたのは、『義経千本桜(渡海屋、大物浦)』 それまではあまり見たことがない仁左衛門さんでしたが、3年前の4月の歌舞伎座で初役でなさった渡海屋銀平の出ですっかりやられ、夜の部の日本駄右衛門で思いっきりトドメを刺されました。仁左衛門さんにはまった思い入れのある演目です。もう一度見たいとずっと思っていましたし、義経が海老蔵さん、弁慶が歌六さんと大好きな3人が舞台に並ぶのを楽しみにしていたのですが...。

『義経千本桜(渡海屋、大物浦)』 わたしの拙い文章で、その凄さを表現するのは不可能。もし、できることならば実際の舞台を見るのが一番としか言いようがないものです。記憶が曖昧なのですが、歌舞伎座でなさったのとも多少演出が変わっているところもあるようです。前回見たときは銀平がとても印象に残ったのですが、今回は、特に、大物浦で舞台中央に座っている満身創痍の知盛のそこだけ空気が違うくらいの圧倒的な存在感に目が釘付け。もう目が見えなくなった状態で、岩に上って行き、碇綱を巻き付けて碇を担ぎ上げて海に飛び込む壮絶な知盛の最期にもうウルウル。

このときずっと知盛を見つめる義経。海老蔵さんが仁左衛門さんのご指導で与兵衛を演じることもさることながら、舞台袖や客席からではなくて、義経の目で知盛を見ることが将来知盛を演じることになるであろう海老蔵さんにとって非常に貴重な機会だったのではないかという気がしてなりません。そういう大事なチャンスを逃したのはとても残念に思います。

その代役として義経を演じていた薪車さん。薪車さんの歌舞伎役者としてのキャリアを考えると非常に健闘されていたのではないでしょうか。

相模五郎の愛之助さん、後半の相模五郎は、キレがあって大きさを感じました。上背がある方ではない愛之助さんですが、橋弁慶の弁慶とこの相模五郎は、十分な準備を重ねてきた裏付けがあってからこその大きさなんだと思いました。

スッキリとスリムになった男女蔵さん、スリムになった分以前よりも動きがシャープに見えるように思いました。(あくまでも当社比ですが...)

『橋弁慶』弁慶の愛之助さんの出はとても大きくて立派でした。お隣のおばさまが思わずお連れの方に「あれ、仁左衛門さん?」と確かめていましたっけ(^^;  代役のことを言うのはフェアではないですが、この前の鳴神上人と比べて、やはり十分な準備を重ねた自信もあってか役の大きさを感じました。牛若丸の壱太郎くんの若々しい踊りも気持ちが良いですね。

『鳴神』孝太郎さんのキビキビとした雲の絶間姫がとても素敵でした。今回、この雲の絶間姫と油地獄のお吉がすっごく良いですね。愛之助さんの鳴神はさすがに手堅くなさっていました。でも、後半の怒った鳴神上人はもっともっと大きくなると思います。ピンチヒッターではなく、十分な準備をされた愛之助さんで鳴神をぜひとも拝見したいです。昼の部、夜の部と出ずっぱりで大変でしょうが、愛之助さんの底力、まだまだこんなもんじゃないと思います。(^^)

席:1階10列目中央

|

« 7月大歌舞伎@松竹座 18日夜の部 | トップページ | 素朴な疑問 »

「歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

おかえりなさいませ(^^)
とにかくも遠征楽しまれた様で何よりです。海老蔵さんは、こちらもとにかく養生なさっていただくしかないですね。番附の舞台写真を拝見するにつけ、河内屋与兵衛を見たかった・・・とも思います。いつか必ず!

孝太郎さん、まったく同感です。ちょっと「姉さん女房」的なリードを感じさせる絶間姫、もしかして愛之助さんの代役になったから強めになさっているのかも・・とも思いますが、お吉と雲の絶間姫は十分持ち味にあって、かつ孝太郎さんの良さが出ていたと思いました。

仁左丈は責任興行、だけでなく奮闘公演、の様相ですが持ち役というのはこういうコトか、とどれも思わせていただけるすばらしいものでした(贔屓目(^^;)。

>>ピンチヒッターではなく、十分な準備をされた愛之助さんで

まさに同感です。「できる」方ですよね。
つい噴出してしまったのは

>>(あくまでも当社比ですが...)

ぷぷぷ(^.^)確かに!!

投稿: coco | 2007年7月22日 00:25

cocoさん、こんにちは。

海老蔵さんの今回の休演はとても残念ですが「人間万事塞翁が馬」と言いますので...。

図らずも仁左衛門さんの魅力をたぁ~っぷりと味わうことができた公演でした。その中でもやっぱり銀平&知盛が一番大好き(*^^*) このお役は他の役者さんを見てもどうしても比べてしまうので、また当分の間、封印です。(^^)

投稿: kirigirisu | 2007年7月22日 14:06

おかえりなさいませ
海老蔵さんのことは本当に残念なのですが、今回の松竹座は、たっぷり楽しませていただきました。どれをとっても見ごたえありました。
kirigirisuさんの一押しは、銀平&知盛なのですね。銀平さんの登場の時の格好よさったらありませんでした。知盛の最後の存在感の大きさにも、魅せられました。
あれこれ、好きなポイントを 語り合いたくなっちゃいます。あっという間に、何時間もたってしまいそうです。本当に足を運んでよかったですね。生の舞台をみることの贅沢さを再確認致しました。

投稿: かいちょ | 2007年7月22日 21:59

#かいちょさん

仁左さまの日本駄右衛門も好きなんですけど、銀平さんと知盛(特に後半)がいっち好きかな。(*^^*)もうホレボレ。仁左衛門さんが演じているんだけれど、そこに居るのはまさしく知盛という感じがしました。
これはやはり生の舞台で見るからこそ感じられるものなんでしょうかしらね。 

歌舞伎座でも、近い将来、また、再演されないかなぁ。もっともっとたくさんの方に見ていただきたいなと願っています。

投稿: kirigirisu | 2007年7月23日 00:56

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21013/15827500

この記事へのトラックバック一覧です: 7月大歌舞伎@松竹座 19日昼の部:

« 7月大歌舞伎@松竹座 18日夜の部 | トップページ | 素朴な疑問 »