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2007年9月 2日

ドラクル初日

長塚圭史さんのお芝居は今回が初めて。とても丁寧に作られているというのが第一印象。ただ、そのため1幕目(前半)が説明的過ぎてちょっと冗長な感じがした。2幕目を説明するために1幕が付けられたような感じがしたけれど、その割には関連性がちょっと希薄。全体的に2幕目の方が話の展開や人間関係が観ていてあきない。

照明がとても綺麗で場面展開で効果的に使われている。ただ、席のせいもあるかもしれないが、役者さんの出入りが見えてしまうのは、話の展開上ちょっと興ざめなところもあった。生演奏の弦楽四重奏も効果的。下手前方の席だったのでチェロの低音が体に響いてくる。録音では感じられない振動が伝わってくるのは何とも言えない感覚。

以下ネタバレが含まれている可能性あり。ご注意ください。

ってなわけで、一晩寝たら忘れちゃったことも多く、思い出したことをツラツラと...。

冒頭のブランシェ(山崎一)の説明がいささか長い。ブランシェは狂言まわし的な存在。2幕で、レイとブランシェの関係が語られるのだから、もうちょっと観客の想像力にまかせてもいいんじゃないのかな。1幕で存在感を感じたのは、マリー(明星真由美)とジョン(山本亨)。人間よりもエネルギッシュで魅力的でとても人間的(^^;。マリーは、一見毒があるようだけれど情のある女性。言葉の端々に上るレイ(海老蔵)とマリーとジョンの関係がとても気になる。この3人の過去って?何があったの?何をしたの?とても気になる。ぜひ、この3人を取り巻く話で番外編が観たい。

2幕目と1幕目の関連性というか繋がりが希薄に感じた中で、プット(中山祐一朗)の存在が断然面白い。そう来たかという感じ。(^^) 個人の好みもあるだろうけれど、視覚的な怖さよりもこういう方が「ひょえぇ~!!」度が高い。

この話はリリスを軸に彼女を取り巻く人達の話のように思う。リリスの存在がカギなんだろうけれど、台詞がやや説明的なためか、あまりその言動が謎めいて見えなかったし、レイとリリスの関係が分かりにくい。

海老蔵さんは、中音で割と地声に近い声。立ち姿や動作がきれいに決まる。もちろん、マントを翻すのは相変わらず素敵。マントの後ろ姿での圧倒的な存在感。レイの強い思いが後ろ姿からも感じられる。マントを着ると超人的、マントがないととても弱っちくなっちゃう。もしかして、マントが象徴的に使われているのかしらん。

わたしのお気に入りシーンは1幕目のラストと2幕目の墓場(だったかな?)でコウモリとのシーン。こういう台詞はうまい(^^; 

長塚さんが伝えたかった「信じる」「許す」「繋がり」は分かるような気はするけれど、説明的な台詞が多いためかえって分かりづらくなっているような気がする。宗教観も恐らく身についているものではなくて、表面的に頭で考えたもののようで、ちょっと抵抗を感じる部分もあった。(これは、言葉で表すのは難しい。かなり感覚的なもの)

最後のカーテンコールの2回目だったか、カルテットの方に手を差し向けたのが海老蔵さんだけで、手を所在なげにもどして照れているお顔がとてもキュート。

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コメント

kirigirisuさん、こんばんは。

初日、立ち見も出る盛況でしたね。
海老蔵さんの舞台復帰もおめでたい初日でしたね。

一幕目でジョンもマリーも死んでしまって・・と思っていたら、確かに意外なキャラクターが・・でしたね。
マリーの人間時代は無性に拝見したいと思いました。

無宗教なので、なかなか各登場人物にとっての「神」を摑みづらいもどかしさもありました。そのもどかしさがそのままこのお芝居の感想だったような気も・・しています。

投稿: yae | 2007年9月 2日 18:25

yaeさん、こんばんは。

レイとリリスの関係よりも、なぜか、レイとマリーとジョンの関係の方が気になりました。(^^; この3人のやりとりは普通の会話なので、見ている側の想像力がかき立てられる感じがします。

わたしは八百万の神系なので、外国の作品で描かれている「神」や宗教観も理解しがたい部分もありますが、彼らの言い分は、なんとなく心情的には分かるような気がします。ドラクルのは、どこかなにか違うような...。想像の世界だからなんでしょうか。

投稿: kirigirisu | 2007年9月 2日 19:40

早くも初日にいらしたのですね。私は月半ばよりやや前に行きます。
なんだか難解そうな気がして、ついていかれるかしらと心配になりました。外国かぶれ時代にはそれほど抵抗のなかったあちらの宗教ですが、今思うとどの芸術作品にもちらつく宗教という背景に、やや疲れます。私自身は、どちらかというと八百万系だと思っています。

投稿: SwingingFujisan | 2007年9月 3日 21:18

SwingingFujisanさん、こんばんは。

難解というよりかは冗長という感じでしょうか。回を重ねることで流れやアンサンブルは良くなっていくとは思うのですが...。他のプロガーさんの感想をいくつか読んだのですが、皆さん判を押したように前半が長いと書かれていました(^^; 

ドラクルで描かれている「神」や宗教観は表面的な言葉を並べているだけのような気がしました。信心深いリリスの存在が浮き上がってこないのはそのせいかも...。

投稿: kirigirisu | 2007年9月 3日 22:33

はじめまして、「ドラクル」16日に金沢から観に行きます。17日に「ヴェニスの商人」を観て帰ることになっていましてとても楽しみにしています! 

前半、長いんですか、、、今回は朝7時のJRで東京に行ってその足で劇場に直行の予定なんですが疲れて寝ちゃわないようにしなきゃ、ですね。 お芝居は見るだけですがとても好きなのでまたこちらに伺いたいと思います。

投稿: あこ | 2007年9月 5日 23:47

あこさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

前半が長いといっっても、実は、後半と同じ時間なんです。感覚的に長く感じたと言った方がよいのかもしれません。公演も中盤になればお芝居の流れもアンサンブルも良くなっていると思うので、電車の中でぐっすりとお休みなってくれば大丈夫(^^)vだと思います。素敵な秋の休日を過ごされますように。

金沢は、数年前に一度だけ、それも乗り換え&昼食のほんの短い時間だけおじゃましたことがあります。大好きな「治部煮」を地元で食べられなかったのが心残りです。また、いつか機会をみつけて行ってみたいなと思っています。

こちらこそ、これからもどうぞよろしくお願いします。

投稿: kirigirisu | 2007年9月 6日 00:21

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