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2007年10月17日

顔見世@御園座 夜の部(10/11)

3年ぶりの名古屋御園座遠征。念願の地元でひつまぶしをいただいたところまでは元気だったのですが、その後徐々に下降。翌日も席があれば夜の部を見てから帰るつもりでいたのですが、段々体調があやしくなってきたので、チケットを確保していた昼の部を見て帰ることに。結局、この週末は完全にダウンしてしまいました。

ということで、体調不良もあって、イマイチ気分が乗り切れなかった感もあった遠征となってしまいました。

【鳴神】團十郎さんの鳴神は初めてですが、毛抜を拝見したときと同様に「うふふ...」「えへへ...」「あはっ!」と自然と顔がほころんでくる、おおらかで楽しくて、華やかで豪快な舞台。鳴神上人の火炎模様のぶっかえりの衣装と毬栗の鬘と隈取りがこれだけ似合う方はいないんじゃないでしょうか。

菊之助さんの雲の絶間姫のあでやかで凛とした美しさは、正に旬。花道に姿を現しただけで、そこがパッと明るくなる。上人様が色香にまどわされるのもムリはない風情。右之助さんの白雲坊がわざとらしさがなくてとても自然。そのせいか、お芝居の世界にふっと自然と引き込まれていった。小難しいことを考えずにゆったりとした気分で楽しめる一幕でした。

【達陀】東大寺の二月堂のお水取りを題材にした舞踊劇。
「お水取り」と言えば、友達3人と生まれて初めて自分たちだけですべて計画を立てて奈良に旅行に行った高校の卒業式後の春休み。その初めの一歩ともいえる第1日目の夜に宿泊した奈良ユースホステルで夕食後に聞きつけた話から偶然見ることができた「お松明」。「ねぇねぇ、東大寺でなんかやっているらしいよ。今から行けば間に合うって。今日が最後で明日はやらないって。行ってみようよ」とかなりアバウトな情報というかまったくの知識なしに向かった先は二月堂。着いたときには、すでにいくつかのお松明が階段を登って欄干に。すべてのお松明が登り切って欄干に並び松明を回す勇壮さと夜空に降る火の粉の美しさに大感激。これで旅の面白さの味を占め、この後も、4人連れだって、夏休みや春休みにあっちこっちと周るようになったのでした。

さて、「達陀」は、菊五郎劇団ならではの演目。チーム團蔵とチーム橘太郎の踊りや菊五郎さんを軸にピシッと揃った後半の男性の群舞が圧巻。男性の勇壮な踊りが好きなので、こういう演目は本当に楽しい。ただ、かなりというかほとんど記憶は薄れてはいるものの、○十年前に歌舞伎座で見た「達陀」と比べるとやや薄味な感じがしました。たぶん、それは、作られた二世松緑さんご自身がご出演されている故の思い入れの強さや歌舞伎座独特の空間から醸し出されるより濃厚な空気や、観る側の年齢による受取方の違いなんだろうと思います。(^^)

【四の切】海老蔵さん2回目の澤瀉型。去年の11月の演舞場では、段取りを追うので精一杯という感じでしたけれど、今回は、丁寧に役柄を演じようとしているようにお見受けしました。佐藤忠信は、前回よりも大人っぽく見えました。お化粧を変えているのは分かるのですが、鬘も変えているんでしょうか?(写真だと横顔だけなのでちょっと分かりにくい) 義経が友右衛門さんと聞いて、最初正直なところ?と思ったのですが、今まで拝見した方の中で一番情け深く暖かみを感じる義経でした。

今回2階席の下手寄りでしたので、最後の宙乗りで海老狐がほぼ頭上近くというか手を伸ばせば届くくらいの距離のところで、ちょっと止まって暴れて(笑)通って行きました。とても嬉しそうなお顔を間近に拝見できて大満足。(*^^*) 四の切が始まる前に、劇場の案内係の方が「海老蔵さんが宙乗りで通る際には、立ち上がらないでください」とのご注意がありました。思わず立って触っちゃう方がいるんでしょうか?!

今回の公演は菊五郎劇団+成田屋というわたしの大好きな組み合わせ。立ち回り好きとしては、どこにどなたが出るのかとても気になる。四の切の荒法師は、新七さん、咲十郎さん、松五郎さん、翔次さん、茂之助さん、音一郎さんでした。翔次さんが、夜の部は鳴神からでずっぱりで嬉しい反面、大変だろうな思っていましたら、咲十郎さん、松五郎さん、茂之助さんもご同様。みなさま、ご苦労さまです。考えてみれば、お役は全部坊主ですね(^^;

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「歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

遠征中、体調を崩されたとのこと。お気の毒です~。舞台はやはり見る側の体力も影響しますから、大変でしたね…。お大事になさってくださいませ~。
「チーム團蔵」は「火天の踊り」、「チーム橘太郎」は「水天の踊り」というようですね。私は「達陀」を拝見するのが初めてだったので、すべてが驚きの連続でした。皆さん、それぞれに素晴らしかったですよね。私は「五体投地」のとんぼブラザーズにも感激しました。
海老狐さん、お痩せになったから、シャープな印象になったのかしら?! 宙乗り、ほんっとうに嬉しそうですよね。私は3階席で見たとき、桜の花びらが吹き出すすぐ横でして、海老蔵丈の「うきゃ~♪」というお顔が忘れられません(笑)。

投稿: はなみずき | 2007年10月17日 07:07

お加減、如何ですか。
私は仕事でがんじがらめ(と言いながら、ちゃんと芝居は見ておりますが)、名古屋行きはほとんど無理そうです。kirigirisuさんが念じてくださったのに申し訳ない。
とはいえ、kirigirisuさんのレポを拝見すれば、ますます心は名古屋へ飛んで……。達陀だけでなく、團十郎さんの鳴神もとてもとても魅力です。
お体、くれぐれもお大事に。

投稿: SwingingFujisan | 2007年10月17日 09:40

遠征で体調を崩されたとのこと。お大事になさってください。

ここのところ急に気温が低くなりましたからね、体調維持が大変です。私も遠征を控えて少々風邪気味ですが、何とか体調を整えて行きたいと思います。

夜の部の感想を拝読しただけでも、團十郎さんと菊之助さんの『鳴神』、群舞の『達陀』、そして海老蔵さん二回目の澤瀉屋型『四の切』、今から楽しみです。

投稿: 六条亭 | 2007年10月17日 14:30

>kirigirisuさま
遠征お疲れ様でした。観劇は長い道連れ。お大事になさってくださいませ。菊之助丈の完全勝利にかかっかかと哄笑しながら家路に着きました。菊之助丈は寿命延ばしていただけます。
海老蔵丈の楽しそうな表情も素敵でした。

投稿: とみ(風知草) | 2007年10月17日 20:46

はなみずきさん、こんばんは。
ありがとうございます。金曜日の演舞場目指して復調
しつつあります。(^^)

おおっ!忘れてはいけないとんぼブラザーズ。
きれいに決まっていましたよね。(^^)
筋書の菊五郎さんのコメントにあったように
人が揃わないとできない演目ですが、人が揃った
ときには、ぜひとも歌舞伎座でもお願いしたいものです。

投稿: kirigirisu | 2007年10月17日 21:37

SwingingFujisanさん、こんばんは。
ありがとうございます。元気になりつつあります。

「達陀」は、好きな方が多いからみんなで念じれば実現されるかもしれませんね。それよりも歌舞伎座に投書した方が早いでしょうかしら(^^) 
そろそろ歌舞伎座でかかってもよい頃ですよね。

投稿: kirigirisu | 2007年10月17日 22:20

六条亭さん、こんばんは。

今月の名古屋は、昼も夜も楽しい演目が並んでいますが、
夜の部の方がワクワク度が高いような気がいたします。(^^)
寒い時期よりも季節の変わり目の方が体調を崩しやすいと聞きました。
くれぐれも、ご自愛くださいませ。

投稿: kirigirisu | 2007年10月17日 22:25

とみさん、こんばんは。
TB&コメントありがとうございます。

菊之助さんの女方は、正に今が旬と言ったところでしょうか。
ホンにお美しい雲の絶間姫さまでした。
昼の部のかさねも素敵でしたね。

投稿: kirigirisu | 2007年10月17日 22:38

まぁ。名古屋でダウンなんて。
私も風邪をおして、向かいました。
お互い、なんとか名古屋を楽しめてなによりでしたね。
これぞ、歌舞伎っていう豪華な舞台でしたもの。
遠征には、費用も必要ですが もっと元気が必要だなぁって思いました。
次の遠征に備えて!?体をきたえましょうね!?

東大寺の旅の思い出、いいですね。
そういう貴重なワクワクを共有した友人との会話も、いつまでも楽しめますものね。
私は鈍行で京都から帰ってきことを思い出しました。東海道線って本当につながっているのね、と友と関心したことを思い出しちゃった。

投稿: かいちょ | 2007年10月18日 23:02

かいちょさん、こんばんは。

ホンに遠征には金力もさることながら、体力、気力、筋力も重要だわと、つくづく思う今日この頃です。(^^; 来年に備えてこの秋からちと真面目に体力づくりに励まねば。

学生時代の旅の珍道中は、その後も何度も思い出しては笑いのタネ。時には、「えぇ~、それっていつのこと?まだ、そんなこと覚えているわけぇ~?!」というリスクもあったりします(笑)わざわざ鈍行や夜行列車に乗るのが嬉しくてワクワクした時代でした。

投稿: kirigirisu | 2007年10月18日 23:48

kirigirisuさん、こんにちは。

お体はもう大丈夫でしょうか?
「遠征には・・・体力、気力、筋力も重要」
そうですよね~~。
これには私も観劇するたびに打ちのめされています(笑)。
元気にお芝居を観るためにも、
日々の体力づくりに励まないといけませんね。

今回の御園座、「めっちゃ!楽しかった!!」です。
昼と夜の狂言が逆だったら、もう2回ぐらい行きたいくらいです。

投稿: rika | 2007年10月19日 08:58

rikaさん、こんばんは。

おかげさまで、元気になりました。
ホンに遠征には金力以上に体力が必要ですね。(^^;

今月の御園座は、大好きな菊五郎劇団+成田屋の組み合わせ
ですし、演目も理屈抜きに楽しめるものばかり。
東京でも團菊祭以外にこういうプログラムをやって欲しいですわん。

投稿: kirigirisu | 2007年10月19日 21:26

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