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2008年1月 3日

雷神不動北山櫻 1/3

Photo <書き直し>
若い座頭が、お客さんに楽しんでもらいたい喜んでもらいたいという気持ちを前面に出して、5役+αを一生懸命に力一杯演じていた奮闘公演(^^)。見ているわたしも、いつもよりついつい肩に力が入っちゃいました。

もしかしたら、5役を奮闘して突っ走るよりも、従来どおり3役だけの方がお芝居にメリハリがあって良いのかなという思いもよぎりましたが、ふるいつきたくなるようなカッチョヨイ悪役の「早雲王子」、おなご好きの浮世離れした貴人「安倍清行」(陰陽師)のキャラクターは、他の方が演じるというのは考えにくいほどわたし的にはかなりツボ(^^)。

大詰の早雲王子の立ち廻りは、蘭平物狂いを彷彿させるような大立ち廻りが見物です。(立師はわれらが新七さん)

まだ、2日目ですし、海老蔵さんの「歌舞伎探し」も始まったばかり。大詰の不動明王の降臨の場を含めて、これから、まだまだ、色々と改良され練り上げていくことでしょう。楽日近くに、もう一度見に行く予定なので、その頃には、どう変わっているのか楽しみです。

<上演時間(約4時間)>1月3日現在のものです。今後、多少前後するとはあると思いますが、参考まで。

11:00~11:35(35分)

休憩15分

11:50~12:50(1時間)

休憩35分

13:25~14:55分(1時間30分)

以下に、お芝居のことやら本日の感想をツラツラと書きました。多少ネタバレもありますので、ご注意ください。

お芝居の前に海老蔵さんの口上。ご挨拶を兼ねてちょっとややこしい筋の説明や2階のロビーに成田山の不動明王が出開帳されていることのご案内。この口上は、お正月ですので贔屓としては嬉しいですが、筋の説明までいるかどうかというのは、個々の好みの問題になるかもしれません。若い座頭が、お客さんに楽しんで貰いたいという一生懸命な気持ちが伝わってくるものでした。

以前は、どこか舞台と客席との間に結界を置いているようなところもなきにしもあらずでした。それも海老蔵さんの魅力の一部であったことも確か。今回の舞台は、できるだけお客さんの方に近づいて行こうとする姿勢が見えました。三幕目では、行方不明になった安倍清行を探して、段治郎さん(文屋豊秀)と市川欣弥さん(紀定義-安倍清行の弟子)が客席に降りてくるのはファンには嬉しいですね。安倍清行も「おなごの香り、美人のかおりがする」「男はいやじゃ」ってなニュアンスのことを言いながら、ちょっとだけ客席を歩きますので、1列中央の席の方はお楽しみに(^^)

わたしは、スーパー歌舞伎や猿之助さんの復活狂言は見ていないに等しいので、今回あまりなじみのない役者さんも多いのですが、紀定義役の市川欣弥さんは味のある役者さんですね。今日、海老蔵さんが定義さんに向かって、思いっきり「きよゆき~」と呼びかけて、定義さん、一瞬目が点。そして「さだよしでございます」。客席のクスクス笑いで、自分の言い間違いに気がついた海老蔵さん、笑いを堪えて舞台の方に顔を向けてしまいましたっけ。こういうのも「とちりそば」ならぬ「とちりコーヒー」なんでしょうか(^^)

この安倍清行さんは、御年100歳にもかかわらず見た目は若い。そして無類のおなご好き。公家の衣装に扇を半開きにして、ふにゃふにゃした高い声で「まろは...」という台詞が海老蔵さんくらい似合う役者さんもいないのでは(笑) 「おちくぼ物語」の左近少将 もかなりツボでしたけれど、安倍清行さんも好き (^^)

もう一つのキャラクター「早雲王子」。陽成天皇の腹違いの兄で、自分が帝の位につきたいがために暗躍する悪役。しかし、この早雲王子さま、悪いヤツなんですが、水もしたたるよい男(*^^*) 新歌舞伎十八番の「紅葉狩」で更科姫が一瞬鬼の表情に変わるのと同じように、良い人風の顔から一瞬にして悪の顔へと変わるところも見逃せません。まるでCGのよう。この早雲王子のキャラクターが強いせいか、鳴神上人が、見取り狂言で見たときよりも少し弱く感じました。

ある意味、この早雲王子さまは非常に魅力的な人物。大詰の立ち廻りは迫力あります。花道でのハシゴでの立ち廻りで、ハシゴの一番下の芯を支えていたのは升一さん。ハシゴの上で逆さまになる方と海老蔵さんが大柄なので、ここの場面はかなり大変そう。今日は、ぶっかえりがちょっとうまくいかなかったようですが、ぶっかえりの衣装も素敵。

早雲王子から不動明王に替わる場面がちょっともたついた感じは否めません。イリュージョンで浮遊するというアイディアは面白いとは思うものの、大立ち廻りの興奮の後では、ちょっと気が抜けた感じがしてしまいました。歌舞伎の宙乗りのように、命綱つきであっても、かえってそのローテク感が味付けになっている場合もあるので、今後、再演する機会があったら、そういう方法も考えてみても良いのではないのかなと思いました。

「毛抜」は、去年の大阪で海老蔵さんバージョンを拝見しましたが、その時よりも自信を持って演じているようにお見受けしましたし、健闘していると思います。が、やはり、團十郎さんの、思わずクスクス笑ってしまう、あのおおらかでほんわかした粂寺弾正の方が好きかな。笑三郎さんの巻絹は、きりりとして大変お美しゅうございました。

「鳴神」は、先ほども書きましたけれど、早雲王子のキャラクターが強い分、少し弱く感じがしました。鳴神上人と雲の絶間姫が庵に入らないため、ぶっかえりの拵えは、所化達が回りを囲んだところで行いました。今回通しを見たのは初めてなのですが、やっと、毛抜と鳴神の関連性が分かりました。また、鳴神上人の怒りは、雲の絶間姫だけでなくてその前のこともプラスされていることを考えると、怒り狂って追い掛けていく気持ちも分からないでもないですね。しかし、修行した仙人とは言えども、結構、コロっと騙されやすい人ですね。芝雀さんの雲の絶間姫は、可愛らしい女性らしいお姫さまでした。いつも、ちょっと小さめの竜は、かなり立派でした(^^) 

席:1F5列目花道寄り

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コメント

kirigirisuさま
おかえりなさいませ。
いろいろ思うことろあり、そして これからもずっと 海老蔵丈を観ていくぞと思う公演でした。
ますます贔屓になったことだけは、間違いなしです♪
わたくしも、まだまだ観にいきます。(もちろん今月!)
楽しみ。

投稿: マイチィ☆ | 2008年1月 5日 00:18

マイチィ☆さん、こんにちは

今回の公演は、海老蔵さんの意志とイキを感じました。
襲名のときにご本人が言っていたように、海老が脱皮するがごとく、新しい一面を見せてくれますよね。ますます目が離せません(^^)

投稿: kirigirisu | 2008年1月 5日 15:14

私は昨日拝見しました。帰り道はもの凄い興奮で、なかなか体の熱が冷めませんでした。海老蔵丈、5役とも、それぞれに演じ分けていらっしゃり、凄いな~、と思いました。声色、表情、どれ一つとっても全く違うキャラクターになっていたと思います。そして、どのお役も、美しい! 最後の大立廻り、手に汗握ってしまいました。感動しましたっ!

投稿: はなみずき | 2008年1月 6日 08:18

はなみずきさん、こんばんは

大詰の立ち廻りは、立ち廻り好きにはホントたまらないですよね(^^)
理屈抜きに誰でもが楽しめる華やかなお正月ならではの演目ですし、海老蔵ファンにとっては5役+αのお姿を拝見できてなお嬉しというところでしょうか(^^)v

投稿: kirigirisu | 2008年1月 6日 19:22

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