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2008年4月 7日

第5回能楽現在形 (4/3)

Photo 今月の観劇の初っぱなは、能楽現在形とあいなりました。そして、今年初めてのお能。いつもながらに、お能超初心者のわたしでも興味深い演目が並んでいます。

『舞囃子 安宅 延年之舞』 曲目の解説によりますと、宝生流の延年之舞は、非常に重く扱われる演出であり、大鼓葛野流にとっては最奥の奥伝だそうです。お能でなく舞囃子での上演となったのは、宝生流では、金井さんはまだ演じることが許される年齢になっていないからとのことです。

今回は脇正面の2列目から拝見したので、おシテ、お囃子の方々、地謡の方々の様子が間近に見ることができたこともありますが、能楽現在形の公演は、第2回から拝見していますが、一番見ごたえのあった舞囃子でした。なんて表現して良いか分かりませんが、とにかくお囃子がすごかった。幸弘さんは酸欠で倒れるんじゃないか(余計なお世話ですが(^^;)と思うくらい。それとちょうど座った席の目線が舞台の床くらいなのですが、地謡の声が床にそって押し寄せてくるように聞こえてきて、ものすごく不思議な感じがしました。もちろん、おシテも気合い十分。体の中で気を膨らませてそれを外に出さずに中で溜めている感じと言ったらよいのでしょうか。衣裳なしでも立派な弁慶さんでした。金井さんがお能で『安宅』をなさるときは是非とも拝見したいと思います。

『舟渡聟』 実を言うと初めて狂言が面白いと思ったかもしれません(^^; 力の抜け具合の絶妙さというのでしょうか、万作さんの船頭さんがとても自然。「いるいるこういう酒好きのおっちゃん」と見ている方も自然に顔がほころんできます。お姑さんもどこか長屋のおかみさん風で、なんとなく歌舞伎の世話物を見ているような感じがしました。この狂言は初めて見たのですが、万作さんの拵えをどこかで見たことがあるなぁと思ったら、初代辰之助さんの写真集でした。2代目松緑さんと初代辰之助さんの「舟渡聟」の写真がありました。見たかどうかの記憶は不確かです...

『藤戸』 以前に歌舞伎(吉右衛門さん)で見たことがあるのでお話が分かっているので、とっつきやすい演目でした。が、睡眠不足+お花見ウォーク+新宿でお買い物でいささか疲れていたので、途中で落ちるかもと思っていたのですが、あに図らんや、全然大丈夫でした。お話がどうということよりも、面が角度によって表情が違うというのを今回初めて実感できたのが一番の理由かもしれません。漁師の母親の面が横から見ると一層憂いを秘めて見えるのですが、角度によってはまた別の表情が見え隠れするのがちょっと不思議な感覚でした。そして、漁師の霊も、前シテの母親とは違って体温を感じさせないことや、訴えかけるような表情がなんとも言えずに不思議な感覚でした。 

広忠さんの後見は、お父様の亀井忠雄さんでした。

今までは、正面の後ろから見ていたのですが、今回から脇正面の前方の席にしたのが良かったのかもしれません。舟渡聟で舟を揺らされた萬斎さんが左右に体を頃がしているときの足の動きなど細いところを見ることができてなかなか面白いお席でした。次回も楽しみ。

◇舞囃子 安宅 延年之舞

      シテ     金井雄資

      笛      一噌幸弘
   小鼓    成田達志
   大鼓    亀井広忠

地謡    宝生和英、武田孝史、朝倉俊樹、辰巳萬次郎

狂言 船渡聟
  シテ 船頭(舅) 野村万作
 
  アド 聟      野村萬斎
   アド 姑      石田幸雄

後見        高野和憲

◇能 藤戸 大根渡
 シテ   漁師の母/漁師の霊   金井雄資
 
 ワキ   佐々木盛綱       殿田謙吉
 ワキツレ 従者           則久英志
 ワキツレ 従者           野口能弘
 アイ    盛綱の下人      野村萬斎

 笛                一噌幸弘
 小鼓               成田達志
 大鼓               亀井広忠
 
 後見               近藤乾之助
                   宝生和英
                   渡辺茂人

 地謡          高橋章、大坪喜美雄、武田孝史、朝倉俊樹 、
                      辰巳満次郎、佐野登、和久荘太郎、亀井雄二

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コメント

能楽現在形、今回初めて拝見できました!
「安宅」延年は、舞囃子でしたが、迫力ありましたねぇ。わたしも、「あ、幸弘さん、吹きまくりだ!」と思いながら拝見しておりました(笑)。

「舟渡聟」の辰之助さんのお写真、思わず探してしまいました~。松緑さんが船頭さんのと、辰之助さんが船頭さんのと、2種類のお写真を発見いたしました。

「藤戸」の萬斎さんのアイも、重習のものだったそうで。

一晩で、こんなに盛りだくさんのよいお舞台が拝見できて、「これじゃあ、チケットがとり難いはずだわ!」と納得いたしました(笑)。

投稿: みつひめ | 2008年4月 7日 11:00

みつひめさん、こんばんは

みつひめさんもご一緒だったのですね(^^) 「能楽現在形」は、幸弘さん、萬斎さん、広忠さんが好きということもありますが、毎回興味深い番組がならんでいるので、なにを見てよいのかよく分からないお能超初心者のわたしには、非常に有り難い公演です。が、とても貴重なものを見せていただいてもよく分からないこともありますので、なんだか申し訳ないような気もしますcoldsweats01

辰之助さんの船頭は全然覚えていないのですが、なぜか、松緑さんと辰之助さんのこの「舟渡聟」の写真がとても印象に残っているんですよね。

投稿: kirigirisu | 2008年4月 7日 19:52

わたくし、超がつく能楽初心者です。
そもそも、お囃子に興味があって見始めたので、お囃子方のメンバーで、どのお舞台を拝見するか決めている感じです。
そうこうするうちに、だんだんシテ方やワキ方、狂言方にも目が向いてきたところです。
とはいえ、お能は奥深くて、まだまだわからないことだらけですが・・・。

次の「能楽現在形」がすでに、とても楽しみになっておりまする~(笑)。

投稿: みつひめ | 2008年4月 8日 11:05

みつひめさん、こんばんは。

わたしも同じくお囃子に興味があって見始めましたので、お囃子のメンツで見るかどうかを決めることも多いです(^^) 

はい。次回(8月)も楽しみですね。狩野了一さんは能楽現在形で初めて拝見したのですが、それ以来、要チェックのおシテさんです(^^)
6月のSPTも喜多流だけは拝見したいのですが...

投稿: kirigirisu | 2008年4月 8日 21:17

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