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2009年8月15日

納涼歌舞伎第3部(8/14)

2部と3部の間が25分しかないので、ごった返すことは覚悟していたけれどいやまぁすごい人。いつものことながら、もうちょっとなんとかならないものかと思う。3部は両方とも初めて拝見。

『お国と五平』 登場人物は、夫の敵を追って旅する後家のお国と忠義者の若党の五平。お国に恋慕するあまり、嫉妬に狂いお国の夫を闇討ちにした友之丞の三人だけ。舞台はうら寂しいススキの原。その中で繰り広げられる三人それぞれの台詞のやりとりが面白い。聞く人によってその台詞のとらえ方はさまざまであろう。

友之丞って本当に嫌なヤツなんだろうか?友之丞の言い分を聞いているうちに、ふとそんな気持ちになった。かなり自己中ではあるが、自分のことも周囲の状況も客観的に把握している。勝手な言い分なんだけれど、聞いているとそういう友之丞の気持ちも分からないでもないし、説得されそうにもなる。それだけ客観視できるのならば、もう少し分別ある行動ができるだろうに。臆病さや女々しさというよりも、自分の感情を一番大事にしてしまう性格が問題なんだろう。もしかしたら、武家に生まれなければ別の生き方もできたのではと、なぜか友之丞に肩入れしたくなった。

忠義者の五平。案外くせ者かもしれない。お国の夫の伊織に長年仕えていたわけでもないのに、お国の仇討ちの供をしている。その下心を友之丞はしっかりと見破っている。五平が友之丞を切ったのは敵討ち言えるのか?自分の野心のためだったのでは?

一番したたかなのはお国さん。意識的かどうかは分からないけれど、結局3人の男性を手玉に取って自分の生活を守ったことになる。最初は、家柄の良い友之丞と縁談を決め、その後その話を蹴ってもっと条件の良い伊織のところに嫁ぎ、不運にもその伊織が友之丞に闇討ちにあって果てしない敵討ちの旅に出ることになった。もちろん旅の苦労はあるとはいえ、供には腕の立つ忠義者(というかお国にぞっこんの五平)がついている。そして、望み通りに敵討ちを成し遂げた。少なくともお国は敵討ちを成し遂げたことで家を守ることはできる。

お国と五平は、この後国に戻ってなにごともなかったかのように暮らして行くんだろうか...たぶん、そうだろうなぁ...

と、あれこれ想像できるのが嬉しい(^^)

『乳房榎』 早変わりを中心に話が展開しているためか、全体的にせわしない印象。素直に早変わりを楽しめばよいお芝居なのかもしれませんが、途中から、そんなに早変わりをする必要性があるのかなと思っちゃったのが楽しめなかった敗因かもしれませぬ。もう少し落ち着いた演出で見てみたい。

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コメント

友之丞みたいなタイプは私は苦手ですが、でも三津五郎さんがあんまりうまくて、身勝手な言い分ながら説得力があったのかもしれませんね(私は苦手ながら友之丞に同情してしまいました)。それに加えて、結局のところお国と五平にも身勝手な事情ができてしまったわけだし。見終わった後、何となく重いものがじっとりとまつわりつく感じがしました。

「乳房榎」はほんと慌しくて、私も期待していたほど楽しめませんでした。早替りにしても、仕掛けに気をとられちゃって、楽しみ方が中途半端になってしまいましたcoldsweats02

投稿: SwingingFujisan | 2009年8月15日 07:41

SwingingFujisanさん、こんにちは

結局三人とも身勝手なんだと思います。お国と五平は世渡り上手だけれど、友之丞は不器用な生き方しかできない人という差だけなのかも。わたしも、ついつい友之丞に味方したくなっちゃったのは、三津五郞さんのさらりとした江戸前の芸風ゆえかもしれませぬ(^^) 

投稿: kirigirisu | 2009年8月15日 15:17

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