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2010年1月 9日

初春花形歌舞伎@演舞場 昼の部 1/8

4日に続き、本日も演舞場。昼の部「黒塚」と「鏡獅子」を拝見。「黒塚」を見るのは初めて。お能の「安達原」を題材にした演目。そういえば、三響會でお能と歌舞伎版を見たことがある。

初演は70年ほど前なのだけれど、舞台の雰囲気はとても新しい感じがする。ススキ原の上に大きな三日月。その風景の中で聞く長唄、お琴、尺八、囃子の演奏がなかなか風情があってよかった。右近さんは、老女のときの方が怪しげな雰囲気があったけれど、鬼女の拵えは意外と迫力を感じなかった。門之助さんの阿闍梨裕慶の高僧らしいたたずまいが印象的。

「鏡獅子」海老蔵襲名公演以来なので、ほぼ6年振り。舞台の雰囲気が以前とどことなく違う。長唄の雛段と海老蔵さんの間の空間がちょっとスカスカしたような感じがする。なんだろうなぁと思いながら見ていたら、後見が升寿さんじゃないからだと気が付いた。升寿さんのオーラ分だけ舞台の気が薄くなっているのかもしれない。もちろん新十郎さんの後見は手際が良いし文句のつけどころはない。ただ、升寿さんは海老蔵さんにとっては育ての親のような存在だったからその分の思い入れもあっただろうし、女方だったから海老蔵さんの女方の踊りのときは一層気になっていただろし...立役のときよりも気を張って座っていように思ふ...

踊りのことははよく分からないけれど、海老蔵さんの踊りはいつも素直で丁寧。でも、今日は、前シテのときに大きく踊ろうとしていたときにちょっとドタドタした感じがした。胡蝶の子役さんは安心して見ていられた。たぶん一人は女の子(登場したときに上手側に立っていた子)だと思うのだけれど、その子役さんの踊りの形が決まっていて、ついそちらに目がいってしまった。

後シテの獅子の精はなんて表現したら良いかわからないけれど、まさしく獅子の精だった。獅子の精と胡蝶の動きがあっていて、獅子と胡蝶が戯れて遊んでいるんだというのが今日初めてよく分かった(^^;; ただ、最後の毛ふりは、夜の部の十役で少々お疲れ気味なのかやや精彩に欠けていたように感じた。「鏡獅子」だけでも大変なのに、夜の部で伊達の十役をやるのは無謀ともいえる。でも、無謀なことは若いときにしかできないし、そういう機会があるのであれば、守りに入らずにガンガンと攻めていって欲しいと思う。

ところで、今日、「黒塚」を見ていたときに私が座っていた列から後ろ2列がどうやら団体さんらしく、頭の上からおしゃべりが聞こえてくる。いつも書いているように、お芝居を観ていて思わず出てしまった言葉や笑いやお連れの方との二言三言の会話はお互いさまだし、自然なことだと思う。でも、茶の間でテレビを見ているわけではないのだから、ところかまわずおしゃべりするのはいかがなもんかと。あまりにも耳障りだったので、「鏡獅子」のときも続くようだったら勘弁して欲しいので、劇場の方に対処して欲しいとお願いしたら、「他のお客さまからも同じようなことをうかがっておりますので、アナウンスするとともに始まる前に客席を回ります」という返事。おかげさまで「鏡獅子」のときは気持ちよく見ることができた。と言いたいところなのだけれど、後シテが登場する前に小鼓の調べ緒をキリキリキリと絞るところで、後ろのおばさまがトイレに立ったようで、結局、あのピーンと張り詰めた空気がぼよよ~んとなってしまった...(--;

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コメント

「黒塚」って初めて見たのですが(三響会の「安達原」、私も見ましたhappy01)、独特の風情があって、とても好きになりました。
「鏡獅子」の胡蝶、私が見たときも1人の子の踊りがとてもしっかりしていて目を奪われました。子役さんは交互出演なのでkirigirisu様がご覧になった子役さんと同じかどうかわかりませんが。獅子と蝶が戯れている様、私も同じように感じました。いい踊りだったなと思います。

まったく最近、茶の間でTVを見ている感覚のおばちゃんが多くて困ります。大事なところでトイレに立ったりするのも、茶の間感覚なのではないでしょうか(差し迫った事情のある方ももちろんいらっしゃるでしょうが)。歌舞伎の裾野を広げるのはいいけれど、マナーだけは守ってほしいですよね。

投稿: SwingingFujisan | 2010年1月 9日 09:22

SwingingFujisanさん、こんばんは

胡蝶をしっかりと踊っていたお子さんは、もしかしたら同じかもしれませんね。子役さんというよりは、踊りを本格的にお稽古しているお子さんなのかな。獅子と胡蝶が戯れて踊っているところはほのぼのとしてとてもよかったです。

トイレはしょうがないとは思いますけれど、ホントお行儀の悪い大人が増えちゃいましたねぇ...昨今の観客の注意を促す劇場のアナウンスを聞くと悲しくなっちゃいます。

投稿: kirigirisu | 2010年1月 9日 22:17

kirigirisuさん、SwingingFujisanさん、こんにちは。お二人のコメントに共感します。筋書きをみると一般のお子さんのようですが、とても素晴らしい胡蝶で主役を引き立てていました。私が観劇したのは1月9日ですが、お二人はいつ観劇されたのでしょうか?

演舞場は歌舞伎座に比べると小さい劇場ですが、それにしても要所々の拍手が小さく役者さんがチョット可哀想に思います。マナーもそうですが、思い切り気持ち良く楽しみたいですね。

投稿: kabukiotoko | 2010年1月10日 21:50

kabukiotokoさん、コメントありがとうございました。

わたしは8日に拝見しました。胡蝶は交互出演なので、同じお子さんなのかは分かりませんが、8日に踊っていたお子さんは、素人目にもとてもしっかり踊っていたように感じましたし、獅子の精と一緒に踊っているときは楽しく戯れているという雰囲気がよく出ていたと思います。

歌舞伎だからといって、しゃっちょこばることもないですが、お互いに気持ちよく観劇できるようにしたいものですね。


投稿: kirigirisu | 2010年1月11日 01:19

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